交差する風景|陳立凡の絨花作品|島作ファイバーコレクション2025
- Liv Chen
- 4月23日
- 読了時間: 3分
2025年4月18日から20日まで、私は絨花の作品を携えて、台北・華山で開催された「島作ファイバーコレクション 交織之間」に参加しました。この三日間、多くの方が絨花を初めて見てくださり、たくさんの対話と共有が生まれました。
「これは何?」「どう作るの?」「なぜこういう表現を選んだの?」――こうした質問を通じて、伝統工芸が創作によって世代や背景を超えて人の心を動かす力を感じました。
このQ&Aは、展示中に最も多く寄せられた質問をもとに、私の創作理念を簡潔にまとめたものです。美しいだけでなく、絨花がいかに生活と結びつくかを感じていただけたら嬉しいです。

日常植物の観察から生まれる、絨花と現代的な場との出会い。
Q1:これは何ですか?
A1:「絨花(じゅうか)」という唐代から伝わる中国伝統工芸です。本来は絹糸を用いますが、私は台湾産のレーヨン糸を使用しています。購入しやすく、持続可能な素材でもあります。伝統的には牡丹や鳳凰といった豪華なモチーフが主流ですが、私は滞在制作で出会った路地の植物を題材に、日常に寄り添う色合いで制作しています。
Q2:制作にはどのくらい時間がかかりますか?
A2:絨花は工程が多く複雑ですが、一番時間がかかるのは「構想」です。私の作品は伝統に基づいた題材ではなく、観察から生まれるので、色や構成を何度も試行錯誤します。目的が変われば、伝統工芸でも常に新しい表現になります。
Q3:どのような活動をしていますか?
A3:「創作」「商品」「体験」の三つを軸に活動しています。今回は創作中心の展示で、2024年の台中・群島芸術園区での滞在制作がベースです。街角の植物や自然から得たインスピレーションをもとに、2025年には霧峰林家宮保第園区にて新たな滞在制作を予定しており、7月に成果を発表します。
Q4:なぜこのような創作を?伝統と全然違いますね。
A4:私は「生活との交差点」から作品を生み出したいと考えています。自分自身が心を動かされたものだけが、人の心にも届くと思うからです。絢爛な伝統モチーフも美しいですが、私の暮らしにはないもの。だからこそ、日々すれ違う植物たちと絨花が出会ったら、どんな表現になるのか。そこが私の出発点です。
Q5:なぜ絨花を選んだのですか?
A5:私は「一年に一つの工芸」をテーマに、持続可能な素材で伝統工芸を現代的に再解釈するプロジェクトを進めています。中国の無形文化財工芸は美しいのに、忘れられつつある。芸術表現を通して再発見されることを願っています。2023年は絨花(絹不使用)、2024年は点翠(鳥羽不使用)、2025年は蓪草花を研究・制作しています。
Q6:作品からどんなことを感じてほしいですか?
A6:日常の中にある、見落とされがちな小さな風景に目を向けてほしい。そして工芸が現代生活と繋がる姿を感じてもらえたら嬉しいです。絨花は豪華さの象徴だけでなく、記憶であり、観察であり、感情の延長にもなり得ます。工芸を博物館から生活の場へと、もう一度引き寄せていきたいのです。
もしご質問や感想があれば、ぜひ気軽にお声かけください。無形文化財の工芸を通じて、新しいつながりと対話が生まれることを願っています。
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