あいだ──滞在制作ノート

新旧のあいだ、技術と感性のあいだ

大花廳で見つけたのは、木彫りの痕跡でした。CNC機械なら、もっと滑らかで均整のとれた曲線ができるでしょう。でも、そこにあったのは「手が作った跡」─不完全さに宿る温もりと、時の重みでした。それは「手触り」であり、「古さ」と「近さ」が同居する感覚でした。

私自身の創作でも、いつも問い続けているテーマがあります。それは、「技術」と「表現」、どちらに重心を置くのかということ。

アートの力は、感情の鮮明さ、独自性、そして作り手の誠実さにあると思っています。伝統工芸を媒体としたアート制作においては、技術の精密さも重要ですが、過度に技に偏ると、作品が語るべき感情や概念が薄れてしまう危険もあります。

私にとって、創作の意念は水のように流れ、時には工芸の手順が追いつけないほど早く動きます。それでも、私は焦りません。なぜなら、私はこう信じているからです

私にとって、創造的なアイデアは水のように流れ出てしまうことがよくあります。技術で洗練させるには速すぎるのです。感動は完璧さからではなく、真実から生まれると信じているからです。

重要なのは、心が感動し、言葉にできるかどうかです。